子宮筋腫の治療方法のひとつホルモン療法とはどんな治療なの?
子宮筋腫が見つかってしまったらどのような治療をするのでしょうか?
実際に子宮筋腫をもっている女性は成人の4人に1人と言われていますので、今自分が子宮筋腫であるか分からなくても自分もいつかは患うかもしれない病気です。
ですから、女性なら誰しも子宮筋腫やその治療方法について知っていることが大切だと考えます。
今回は、そんな子宮筋腫の治療法の中でも手術治療ではなく、温存しながら治療するホルモン療法についてご紹介しようと思います。
子宮筋腫のホルモン療法とは?
子宮筋腫は、その大きさやできている場所、そしてそれに伴う症状によって治療方法がいくつかあります。
その一つがホルモン療法です。
ホルモン療法は、女性ホルモンのバランスを意図的に操作することで子宮筋腫に働きかける治療法です。
子宮筋腫は、初期のころやサイズが小さい場合にはとくに自覚症状がないので気づかない女性も多いものです。
これが大きくなったり悪化することでさまざまな不調を感じるようになります。
その子宮筋腫を大きくする原因と考えられているのが女性ホルモンのひとつであるエストロゲンです。
エストロゲンの分泌が盛んであれば、筋腫も大きくなってしまうという事なのです。
そこでエストロゲンの優位性をさげることが子宮筋腫を小さくしたり、症状を和らげるために大切になります。
ホルモン治療は直接ホルモンバランスをコントロールするので効果が高い治療法ともいわれています。
けれども、ホルモンバランスが不安定になることで副作用も心配な治療法でもあります。
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Gn-RHアゴニストというホルモン療法
ホルモン療法にもいくつかありますが、代表的なGn-RHアゴニストは、エストロゲンの分泌量を低下させて一時的に閉経状態を造るホルモン剤です。
この薬によって月経が留るので、子宮筋腫の成長を抑えることができます。
また、子宮筋腫による月経過多や月経痛、貧血などの症状も緩和することができるのです。
けれども、一時的に閉経状態になることで更年期と同じ状態になるので更年期障害と同じような症状が出てしまうことも考えられます。
ですから長期にわたってこの薬を服用することはできないのです。
また、このホルモン療法は費用がかなり高額になります。
そして、薬をやめると筋腫はすぐに元の大きさに戻ってしまいます。
ですから閉経が近い女性などはこの方法で閉経までの時間を乗り越えることができますが、若い女性の場合にはあまり選択されない治療法です。
低用量ピルでのホルモン療法
低用量ピルは、妊娠時と同じような状態をつくって月経や排卵を抑えるためのホルモン剤です。
低用量ピルで月経過多や月経痛を緩和することができます。
このピルはエストロゲンとプロゲステロンを配合していますが、低用量ピルなのでエストロゲンの配合量が少なくなっていてプロゲステロンが優位になります。
ですから、子宮筋腫の症状を緩和するのに効果があるとされています。
けれども、妊娠時と同じような状態をつくるので副作用として吐き気や体重増加、血栓症などもかんがえられます。
ですからしっかりと医師の指示にしたがって低用量ピルを服用することが大切になります。
ミナーレを使ったホルモン療法
ミナーレは、子宮内避妊用具のひとつです。
これは、月経過多や月経困難症に対して使用することもあります。
ミナーレの黄体ホルモン放出作用によって子宮内膜増殖が抑えられるので、月経時の苦痛を緩和することができます。
この方法は、ピルが服用できない女性や内服が面倒だと考えている女性におすすめの治療法です。
ただ妊娠・出産の経験がない女性の場合には、使いにくさがあり、また感染のリスクもかんがえられます。
ですから、あまり一般的には適用されていないホルモン療法でもあります。
子宮筋腫のホルモン療法についてのまとめ
いかがでしたか?
今回は、子宮筋腫の治療方法のひとつでもあるホルモン療法についてご紹介しました。
ひとくちにホルモン療法と言っても、使われるホルモン剤はいくつかあります。
そのそれぞれにメリットもありデメリットもあります。
それぞれの特徴を知ることで、実際に治療を選択しなくてはいけない場面でも落ち着いて考えることができるでしょう。
もちろんホルモン療法以外にもさまざまな治療方法がある子宮筋腫。
その状態や大きさ、できている場所などによっても治療方法はことなります。
また、将来妊娠を望んでいるか、また閉経が近いかなどによっても治療方法が異なってきます。
ですから大切なことは現在の自分の子宮筋腫の状態を把握して、どの治療法が最善かを選ぶのは自分自身です。
信頼できる専門医と相談して、最適な治療方法を見つけて、今よりも快適な毎日が送れるといいですね。
今回ご紹介したそれぞれの治療方法を参考に自分自身についてもよく考えてみてください。