子宮筋腫と子宮肉腫の違いはなに?良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは?
自分自身や身近な人に子宮筋腫があると聞くとちょっと驚いてしまいますよね。
でも、子宮筋腫は良性の腫瘍なので基本的には命に関わる病気ではありません。
また、成人女性の4人に1人は筋腫をもっていると言われるほど婦人科系の病気としては一般的な病気ともいえます。
ですから、子宮筋腫だからといって怖がる必要はありません。
けれども、子宮筋腫と似ている子宮肉腫というものがあります。
今回は、子宮筋腫と子宮肉腫の違いや良性腫瘍と悪性腫瘍の違いなどについてご紹介しようと思います。
子宮筋腫と子宮肉腫の違いは?
子宮筋腫と子宮肉腫、なにがちがうのでしょうか?
子宮筋腫と子宮肉腫の一番の違いと言えば、子宮筋腫は良性の腫瘍で子宮肉腫は悪性の腫瘍ということです。
子宮筋腫は良性の腫瘍ですから命に関わることは、ほとんどありません。
けれども、子宮肉腫の場合は悪性の腫瘍ですからリンパ節に転移したり、肺に転移したりすることがあります。
子宮肉腫ができるのは9割が子宮体部で1割が子宮頸部というところです。
子宮肉腫は子宮肉腫と違って、悪性の腫瘍という事で見つかった時には摘出手術が必要です。
反対に子宮筋腫は見つかってもその大きさや症状によっては経過観察になることも多いでしょう。
実は、子宮筋腫と子宮肉腫の判別は難しいものです。
ですから、子宮筋腫のつもりで手術して摘出した後に細胞を検査してみると子宮肉腫だったという事も少なくありません。
ただ、子宮筋腫が大きくなる理由が女性ホルモンのエストロゲンなのに対して、子宮肉腫はエストロゲンは関係していないと考えられます。
ですから、子宮筋腫の場合、閉経後自然と小さくなりますが、子宮肉腫の場合は閉経後でも小さくなることはありません。
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子宮肉腫にはいくつかの種類がある
実は、子宮肉腫は大きく分けて3つの種類があります。
それぞれの特徴をご紹介しておきましょう。
1.癌肉腫
癌肉腫は子宮肉腫の約半分近くを占めている一番発生率の高い子宮肉腫です。
とくに60歳以上の高齢者に発症率が高くて、リンパ節に転移しやすいのが特徴です。
治療をしても骨盤の外に再発することがあります。
2.平滑筋肉腫
平滑筋肉腫は、子宮肉腫の4割を占めるもので閉経を迎える50歳前後に発症する人が多いものです。
リンパ節への転移は少なく、肺に転移することがあるので最も予後が不良となります。
平滑筋肉腫のバイは、抗がん剤治療は行わず、切除後に放射線療法がおこなわれます。
3.子宮内膜間質肉腫
子宮内膜間質肉腫は、子宮肉腫のなかでは発症率が低いものです。
閉経を迎える50歳前後に発症することが多く、他の肉腫に比べると予後は良好です。
子宮肉腫の中でもエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンと関係があるのでホルモン療法がおこなわれます。
このように子宮肉腫には3つのタイプがあり、それぞれに特徴や予後の様子がかわりますので覚えておきたいですね。
良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは?
ここまでは、子宮筋腫と子宮肉腫の違いについてご紹介しました。
そもそも、子宮筋腫と子宮肉腫の違いは、良性の腫瘍と悪性の腫瘍ということが大きいです。
では、良性の腫瘍と悪性の腫瘍はどのような違いがあるのでしょうか?
良性の腫瘍の場合には、上皮性細胞と非上皮性細胞が発生源となっているものがあります。
上皮性細胞が発生源となる場合には、乳頭腫やポリープ、腺腫、などがあります。
非上皮性細胞が発生源となる場合には、繊維腫、脂肪腫、骨腫、粘液腫、血管腫などがあります。
悪性の腫瘍も上皮細胞が発生源となるものと非上皮細胞が発生源となるものがあります。
上皮細胞が発生源の場合ががん、非上皮細胞が発生源の場合が肉腫となります。
このように腫瘍と言っても良性と悪性があり、すべてが命に関わる病気なわけではありmせん。
けれども、子宮筋腫と思っていたものが実は子宮肉腫だったということもありますので、しっかりと検査をすることが大切です。
子宮筋腫と子宮肉腫の違いについてのまとめ
いかがでしたか?
今回は、子宮筋腫と子宮肉腫について、その違いなどを御紹介しました。
子宮筋腫は一般的にも多いとされる婦人科系の病気ですが子宮肉腫となると悪性腫瘍ですから転移などが心配です。
今回ご紹介したように子宮肉腫にはいくつか種類がありますが、どれも閉経近くから閉経後に発症することが多いようです。
閉経近くなのに子宮筋腫ができていることが分かった場合は、子宮肉腫の可能性もありますので十分に注意しなくてはいけません。
自分自身の体調の変化などもしっかりと感じることで、異変に気づくことができるでしょう。
ぜひ、今回ご紹介した記事を参考にできるだけ早く子宮肉腫に気づけるといいですね。
もちろん、子宮筋腫と子宮肉腫は似ていてわかりずらいとはいえ、まったく違う特徴をもつものですので子宮筋腫とわかっていて怖がることはないでしょう。